2009.09.10|New Car Driving Data 2010
LEXUS HS250h ハイブリッドの静粛性と広い極上快適キャビンに注目

レクサス初のハイブリッド専用モデル、HS250hが大人気だ。12年前、今ほど環境がブームになっていない頃に手塚治虫の「リボンの騎士」をCMキャラクターとして登場した世界初の量産ハイブリッドカー、初代プリウスは決してカッコいい存在ではなかった。むしろ“燃費を気にするなんて貧乏臭い”という意見もあったほど。またバッテリーを交換すると40万円の出費になるなど、燃費の良さだけで購入費用や維持管理費の出費は取り戻せない、とも言われていたのだ。当然、現在のプリウスが抱える“8カ月納車待ち”などという状況は想像すら出来なかった。それが今、ハイブリッドカーでなければクルマではないような風潮まである。中には購入したばかりのプリウスを中古車市場に流しただけで30?40万円儲かるなんて業者まで現れたのだから何のための環境対応車、正義の味方なのか?
そんな状況の中、レクサスからハイブリッド専用モデル、HS250hが登場し、今度はメルセデスやBMWに対向するプレミアム・ブランドとしてさらに成長しようというわけだ。レクサスのある営業マンは「“プリウスは納車待ちが長いからこちらに来ました”というお客様までいらっしゃいますよ」と話していた。つまり、価格を度外視してもとにかくハイブリッドが欲しい、と言うユーザーが発売直後からディーラー押し寄せて、月間販売目標500台という控えめな台数も手伝い、こちらにもバックオーダー6カ月という状況。エコカー減税など、強い追い風が吹くなか、ハイブリッドカーバブルとも言える状況は他のプレミアム・セグメントにも影響を与え、今後はメルセデス、ポルシェ、BMWなど名だたるブランドが次々に参入予定だ。パイオニアであるレクサスはここでしっかりとした商品性を確立することで後続のメーカーとの差別化を図り、一歩リードしようと考えているようなのだが、果たしてHS250hの実力は? 車両価格は395万円から535万円。装備品や諸経費を含めると最低でも500万円近くの出費だからかなりの高額車だ。

まずスタイルだが同じレクサスのエントリーモデル、ISよりはコンサバというか、かなり普通で素っ気ない。スタイリッシュと言うことで言えばISには敵わないだろうし、もし普通のガソリン車であったならば、注目度はかなり低くなるデザインはちょっと残念。レクサス初のハイブリッド専用車という触れ込みがなかったら辛いかも知れない。

ただ、外見のデザインを除けばパッケージングは良好でウインドーも大きく、全長に比べキャビンの割合も大きい。そしてスクエアなボディはいかにも運転がしやすそう。事実、ちょっと重めのドアを開けて乗り込むと、レクサスらしい高級感あるインテリアが迎えてくれる。インパネのデザインも年寄り臭さはなく、デートカーとしても十分に通用するほどクリーンなデザインであり、彼女との話のネタになるほどの斬新さがある。おまけに全長4.7mのFFセダンということで居住性はかなりいい。ルーフが高く、乗降性もよく、乗り込めば広々とした後席スペースも含めて、大柄な大人4人が楽に寛げる。この広々とした室内は友人たちとのゴルフなどでは特に重宝するはず。友人たちと交通費をシェアすれば負担が軽減され、喜ばれること確実。ハイブリッドカーは大きなバッテリーをトランク周辺に設置するという構造的なハンデを抱えているが、そんな泣き所も解決され、トランクスペースには9.5インチのゴルフバッグが4個入る。唯一、リアシートの背後にバッテリーを積んでいるためトランクスルーは不可能。ま、トランクスルーの使用頻度を考えれば問題ないかも知れない。

さてHS250hに積まれているシステムはアメリカ向けのトヨタ・カムリハイブリッドのものを移植したものであり、全体の印象とすればプリウスやレクサスGS&LSハイブリッドなどと同じフィーリングの範疇にある。いかにもハイブリッドらしく、静かであり、アクセルを踏み込めば滑らかな力強さを伴いながら加速していく。広く居心地のいいキャビンは静粛そのもので“ハイブリッドの価値”を強烈に感じ取ることが出来る。この静かさがあれば別にスポーティな走りなど敢えて行わなくとも“極上の快適”だけで満足できる人がいるかも知れない。足回りなどは標準仕様とちょっと硬めのチューンを施したスポーティな仕様とがあり、タイヤも17インチ仕様と18インチ仕様がセレクトできる。が、ハイブリッドカーであまりガツガツ走るのも本末転倒と考えるならばもっともリーズナブルな仕様が十分。静かで快適、そしてブームのハイブリッドカーに乗ると言うことにクールさを感じるならば現状では最良の選択枝に入る一台だろうが、スタイルの素っ気なさは我慢しなければいけない。おまけにBMWの3シリーズやメルセデスベンツ・Cクラスを考えていたゲイナー世代にとって「ハイブリッドカーだから」と言う理由だけで心変わりをさせるだけの力となるだろうか。とりあえずデートカーとして、このスタイルにはちょっと不安が残る。
SPECIFICATION
サイズ:全長×4700mm全幅×1785mm全高×1505mm
ホイールベース:2700mm
車重:1640kg
エンジン:直列4気筒DOHC
最高出力: 110kW(150ps)/6000rpm、
最大トルク:187Nm(19.1kg-m)/4400rpm
モーター:105kW(143ps)rpm、
最大トルク:270Nm(27.5kg-m)
トランスミッション:CVT
10・15モード燃費:23.0km/リッター
車両本体価格=395万円?
ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★
目立ち度:★★
インテリア洗練度:★★★★
デートカー度:★★
コストパフォーマンス:★★★
燃費:★★★★★
評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク